退職のあいさつ
2026/11/07
先日、協業先の社員の方から、退職の挨拶をいただきました。
ランチをしながら、しばらく仕事の思い出話をしたあと、その方は穏やかな表情で、退職の理由を話してくださいました。お子さんの療育に専念するためだという。仕事を続けながら両立するのが難しく、会社を辞めることにしたそうです。
「これからは、子供と過ごす時間を大切にしたいと思います」そう話す声に、悲壮感のようなものは感じられず、自分の置かれた状況を受け止め、これからの人生を自分の意思で歩んでゆこうとする落ち着きがありました。無理に前向きにふるまっているのではなく、自分にとって大切なものを見つめているように感じられました。
子供の成長を支えること。家族と向き合うこと。そして、自分にとって本当に大切なものに時間を使うこと。人生には仕事よりも優先したいものがあります。それは、仕事を諦めることとは違い、何を大切にして生きるのか、その優先順位を自分で決めるということなのでしょう。(https://k-iconsulting.jp/blog/detail/20260131105219/)
決断の裏には、悩みや葛藤もあったかもしれません。私が目にしたのは、そうした思いを抱えながらも、一つ一つ向き合ってきた末の姿だったのかもしれません。それでも、必要以上に自分の境遇を嘆かず、誰かを責めることもなく、目の前の人生を受け止め歩いてゆく。その姿には、どんな立派な人生訓よりも強く心に残るものがありました。
人生は、いつも思い通りに進むとは限らない。望んでいた道を、途中で変えざるを得ないこともある。その中で、何を手放し、何を守るのか。その選択にこそ、その人らしい生き方が表れるのだと思います。
退職の挨拶をくださったその方から、私は大切なことを教えていただいた気がします。その方とご家族のこれからの日々が、穏やかで豊かなものであることを願いながら、自分自身に問いかけていました。もし今日、私が同じように人生の優先順位を決めなければならないとしたら、何を手放し、何を守るだろうか。そして、仕事や世間体の向こう側にある、自分にとって本当に大切なものを私はちゃんと見つめているだろうか。
Sさん、どうかご家族との時間を大切になさってください。
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