内部留保
2026/10/04
日本企業の内部留保は、財務省の法人企業統計によると、2023年の段階で600兆円を超えています。内部留保とは、企業が過去に稼いだ利益のうち、配当などで社外に流出せずに、企業の中に残っている利益の累積額を指し、内部留保≠現預金です。内部留保(利益剰余金)601兆円に対し、現預金は302兆円となっています。現預金がすべて企業が自由に使えるお金というわけではありませんが、国際比較すると日本企業の「資本余力」はかなり大きいことは確かでしょう。
一旦は落ち着いたように見えた原油価格は、再度上昇を始めています。地球温暖化の影響で農作物の需給が逼迫し、食糧価格の上昇も懸念され、世界的なインフレが再加速しています。ECBもFRBも日銀も、政策金利を引き上げています。世界中の企業のAI投資のための資金ニーズは根強く、莫大な額の社債の発行等も長期金利の上昇圧力となっています。トランプ大統領は、共和党が中間選挙で勝利した場合、全米の全成人に一人当たり5000ドルの配当金を出すとまで約束しました。このことは、米国財政への不安に直結し、米長期金利の先高観を加速させます。
金利が上がると企業の資本コストは上昇し、将来のキャッシュフローの現在割引価値を押し下げます。
このような環境が世界の企業の将来価値にマイナスの影響を与えることは必至ですが、こうなると日本の企業の相対的頑健さが際立ってくるのではないでしょうか。日本企業は、過去多くの批判を浴びながらも、失われた30年の間に「内部留保」を厚くしてきました。株主からの要求に耐えかねず、自社株買いや増配によって外部に資金を流失させた企業もありますが、多くの企業は前述のように、いまだにたっぷりと内部留保を保持しています。日本企業はインフレ耐性がとても強い状態にある、と言ってよいと思います。
内部留保の使い道を間違えさえしなければ、日本企業、ひいては日本株は、世界的なインフレ進行の中で、「独り勝ち」の様相を帯びてもおかしくないと思います。折しも高市内閣は、日本経済を成長戦略に乗せて財政を健全化させるという「賭け」に出ました。官民一体となった日本国経済飛躍シナリオを実現させるにはこれ以上ない環境が整った、と思います。
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